磨いているのになぜ虫歯になるのか?その5つの原因と予防法

磨いているのになぜ虫歯になるのか?その5つの原因と予防法

なたが「歯を磨いているのに虫歯ができてしまう」と悩んでいるようであれば、気づいていない原因があるかもしれません。

もう虫歯を繰り返さないための「答え」を解説いたします。

まず、虫歯ができるメカニズムを知ろう!

虫歯がなぜできてしまうのか?まずそこが分からないと予防できません。

■【動画】虫歯ができるメカニズム■

ダイヤモンドの次に硬いといわれる歯の表面の「エナメル質」ですが、実は酸で溶けて柔らかくなってしまいます(脱灰といいます)。

ではなぜ酸ができてしまうかというとお口の中の「ばい菌(細菌、バクテリア)」が「糖分を分解→酸を生成」するためです。

糖分はもちろん、甘いものに多く含まれていますが、「ごはん」「麺類」なども分解されると最終的にはショ糖、ブドウ糖になります。

糖分(ショ糖、ブドウ糖)→ 細菌 → 酸(歯が溶ける)

以上の順番です。

 原因① 磨き残しがあることに気付いてない

「お口の中のばい菌が酸をつくる」ことがわかったと思います。では、ばい菌たちはどこにいるのでしょうか?

答えは「歯の表面」です。

ばい菌は唾液の中、舌の表面にもいますが、虫歯の原因となるプラーク(歯垢)と呼ばれる「ばい菌の集落」は歯の表面に張り付いています。

では普段「どの位プラーク(歯垢、ばい菌)が取り除けているかご存知でしょうか?」

おそらく「わからない」という方が多いと思います。それもそのはずで、プラークが取れているかどうかは磨いた後でも通常ご自身ではわかりません。

下の動画をご覧頂けるとわかります。

■【動画】ここから虫歯ができる!■

磨き残しがあれば、もちろんそこから虫歯ができます。

歯の表面全体の80%以上を取り除くことができるようになると虫歯の発生を防ぐことが可能になります。

平均的なデータでは歯ブラシだけの使用であると、上手な方でも全部の歯の表面の60%程度しかプラーク(歯垢、ばい菌)を落とせないことがわかっています

そのため「フロス」「糸ようじ」「歯間ブラシ」などの補助用具を使用することが必要になり、使用する事で残りの40%のプラーク(歯垢、ばい菌)を取り除くことが可能になります。

≪参考文献≫日本歯科保存学会誌 48,722(2005年)

 予防法

磨き残しの部分を見てわかるようにする「染め出し(赤や青)」をおこない、クリニックで専門的な指導を受け、お手入れの仕方を身に付ける。

※クリニックでは赤や青に染め出しをおこない「全体の何%」がお手入れできているか測定します。

※歯垢(しこう、プラーク、ご自身で取れる)と歯石(しせき、ご自身では取れない)は違うものなので混同しないよう注意。

 原因② 飲食と回数と内容に問題がある

磨いているにもかかわらず、虫歯ができる原因の2つめは食生活の影響があります。

■【動画】食生活はかなり影響する■

ばい菌たちに「エサ」となる「糖分」を与えないようにすることが重要になります。酸性度の高い飲み物も避ける必要があります。

そのため、大きく影響するものとして①飲食の回数(エサの回数) ②その内容(エサの内容) があります。

一番多いパターンは「砂糖入りコーヒーのちびちび飲み」があげられます。パソコンの脇に「砂糖入りコーヒー」を置いての「ちびちび飲み」は虫歯の元になります(無糖であればOKです)。ご注意を!

ばい菌たちに①「常に(長時間)」②「高栄養(糖分)」を与えないことが重要です。

「のど飴」もブドウ糖、ショ糖、が入っているものは通常の飴と同じで虫歯のリスクが増します。

その他「スポーツドリンク」「炭酸飲料」「お酢」「乳酸菌飲料」「ガム、飴、」も注意が必要です。

 

 予防法

飲み物、ガム、飴は糖分(ショ糖、ブドウ糖)が入っていないものを選ぶ。炭酸飲料、アミノ酸、ビタミンCも酸性なので避ける。

もし「どうしても」という場合は、飲んだ後に水で「ブクブクうがい」をして酸性度を薄める。

基本的に水や麦茶、緑茶などのお茶がおすすめです。

また、フッ素入りの歯磨き粉を使用し、歯の耐酸性を高めることも一つの方法です。

 原因③ ミュータンス菌がいる

虫歯菌が存在すると虫歯になるリスクが大きくなります。

これはご自身ではコントロールはできませんが、俗にいう虫歯菌の「ミュータンス菌」がお口の中にいる場合は虫歯になりやすくなることがわかっています。

 予防法

乳幼児期(1歳7ヶ月~2歳7ヶ月)の母子感染説が有力ななため、ご自身では防ぐことが難しい。
唾液検査や細菌検査などをおこない、除菌治療(3DS)をおこなうのも一つの方法です。

 原因④ 唾液の量が少ない

唾液の量が少ないと虫歯になりやすくなります。

唾液はお口の汚れを洗い流す作用があります。また、唾液がしっかり出ることにより「酸」も中和されるため唾液の量は極めて重要になります。

唾液の量は「飲んでいるお薬」「加齢」「ストレス」「お口の動き」等で変化します。

 予防法

飲んでいる薬の種類や作用の確認をする。唾液の代わりに「お水」をタイミング良く飲む、などおこないます。舌を動かすことでも唾液は出やすくなります。

※唾液の量は(安静時)5分間で5ml以上が正常値。

 原因⑤ 定期的に歯科にいっていない

定期的に歯科でチェックしないと虫歯のリスクが大きくなります。

クリニックで虫歯の治療が終わったあと「定期的にチェックが必要」と説明があるかと思います。それには理由があります。

【原因①】の磨き残し部分を、年に3~4回クリーニング(お部屋で言うと大掃除)し、毎日のお手入れで取りきれていないプラーク(歯垢、細菌、バイオフィルム)を一度リセットする必要があるからです。

もちろん、日頃のお手入れができている上でのプラスのアプローチになります。

 予防法

自分の健康管理のための時間をつくる(治療で費やす時間、費用、ストレスが無くなるメリットがある)。

お口の健康の継続管理をしていただけるクリニックを選ぶ。

 

まとめ

・虫歯は「酸」の働きによってできる。

・磨いている≠磨けている、に気付かなければいけない。

・「酸」の大元は、ばい菌(プラーク、歯垢)、飲食である。

・食生活の影響は思ってる以上に大きい。ゆえに生活習慣の改善が大切。

・お手入れ以外にも多方面からのアプローチが必要になる場合がある。

 

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