糖尿病の方が歯周病治療をおこなうメリット4つとその理由

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糖尿病と歯周病治療の関係と治療法イメージ 糖尿病の有病者、糖尿病が強く疑われる方、の合計は日本国内で約2,000万人(各1,000万人 平成28年 厚生労働省)との報告があります。

驚くことに40歳以上の4人に1人は糖尿病であることがわかっています。

「病気にならない」ことが一番理想的です、しかし治療が必要なった場合はしっかり治さなければなりません。

しっかり糖尿病を治したい方へ歯科からの「答え」をお伝えします。

目次

そもそも糖尿病とはどんな病気?

糖尿病と血管のイメージ

血管、血液に問題がおきる

糖尿病とは血液中の糖分(ブドウ糖)の濃度が高いため、血管が傷つきやすくなったり、血液が「ドロドロ」になったりし、「血管がボロボロ」になっていく病気です。血糖値が高いままで5~10年ほど経過すると次にご説明する合併症が起きる可能性が高くなります。

糖尿病の怖さはその合併症にある

①糖尿病性腎症

糖尿病と人工透析イメージ

血糖値が高い状態が長年続くと腎臓が機能しなくなり人工透析が必要になる可能性が大きくなります。透析は週に3回ほどおこない、一生続けなければいけません。日常生活上の大きな負担になります。

②糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症イメージ

視野が狭くなる→徐々に失明の危険性

失明原因の第一位。目の毛細血管が破れて酸素や栄養が届かなくなるためにおこります。年間3,000人ほどの糖尿病の方が視力を失っています。

③糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害のイメージ

神経細胞に血液が行き届かなくなり、神経に障害が起こります。小さな傷などが原因で「足が腐る」などの症状はこのためです。

④心筋梗塞

心筋梗塞イメージ

糖尿病の方はそうでない方に比べ心筋梗塞になるリスクが3倍ほど高いことがわかっています。突然胸の中央部に激痛が走り、30分以上痛みが続き意識を失うことや死に至ることもあります。

⑤脳梗塞

脳梗塞イメージ

糖尿病の方はそうでない人に比べ脳梗塞になるリスクが男性で2.2倍、女性で3.6倍も高くなります。問題になるのは後遺症で、身体の片側マヒ、言語障害、重い認知症、などまわりの方の介護が必要な生活になります。

⑥歯周病(歯槽膿漏)

糖尿病と歯周病のイメージ

細菌に対しての抵抗力が低下し、歯ぐきの骨が痩せる(吸収)スピードが早くなります。放置してしまうと、歯が「グラグラ」してきて、最後には自然に歯が抜けてしまいます。

歯周病は糖尿病の「第6の合併症」と言われています。

歯周病治療をおこなう4つのメリットとその理由

メリット① 合併症である心筋梗塞、脳梗塞のリスクが減少する

糖尿病と歯周病治療の効果イメージ(血管プラーク)

血管プラークに歯周病菌が存在する

歯周病原菌のP.gingivalis(P.g菌)が動脈の内壁の血管垢(血管プラーク、粥状隆起)から発見され、歯周組織の改善と共に動脈内の肥厚が改善した報告があります。

歯周病治療により 糖尿病の合併症である心筋梗塞、脳梗塞のリスクを減らすことができます。

メリット② 血糖値が下がる

歯周病治療により血糖値が下がるイメージ

炎症が無くなると血糖値が下がる

歯周病菌を抑制するとインスリンの抵抗性が改善し、血糖値(HbA1c)の低下することが報告されています。逆に歯周病を放置すると糖尿病の病状が悪化する可能性があるということになります。

歯周病の症状が重症なほど血糖のコントロールが困難になることが分かっています。

歯周病治療は血糖値を安定させる効果があります。

メリット③ 咬む能力と血糖値(HbA1c)は相関性がある

しっかり咬むことで血糖値が下がるイメージ

咬む回数が増えるとインスリンの分泌が促進される

糖尿病の方は「咀嚼能(咬む能力)」が低下しており、咀嚼能と血糖値(HbA1c)は相関性があることがわかっています(一言でいうと「咬む力が小さい人は血糖値が高い」ということになります)。

良く咬んで、ゆっくり食べる、自分の歯がしっかりとしていることで効率よく食事ができ、食後の高血糖や肥満を予防することができます。

また、咬む回数が増えるとインスリンの分泌が促進されることがわかっています

良く咬むことができるように歯周病治療で歯を残すことはメリットは大きいと言えます。

メリット④ その他の病気に対しても良い影響がある

 

歯周病治療をおこなうことの全身のメリット

歯周病治療は健康維持に必須

歯周病が悪化すると、動脈硬化、糖尿病性腎症、早産、のリスクとなるので、歯周病治療することによりリスクを減らすことができます。

歯周病菌が肺に入ると「誤嚥性肺炎」を引き起こすため、歯周病治療や口腔ケアをおこなうことにより肺炎(日本人の死亡原因の第3位)の予防になります。

歯周病治療で歯周病菌を抑制することが可能です。

ではどうすれば良いのか?

歯周病治療のイメージ

歯科でしっかりと歯周病治療をおこなうことが必要です。

担当の歯科の先生に①現在通院中であること②糖尿病手帳、などの情報を伝えることが重要です。場合によっては、歯科の先生から医科の先生への「対診書」を通じて「医科と歯科の連携」をしながら治療をおこなっていきます。

医科の先生にも「歯周病の治療」をしていることを報告すると良いでしょう。

まとめ

・歯周病治療により血糖値が低下する可能性がある。

・歯周病治療により糖尿病の合併症のリスクが減少する。

・良く咬んで、ゆっくり食事をすることは食後の血糖値の急変や肥満の予防になる。

・歯周病治療をおこなうと他の病気に対するリスクも減少する。

 

≪参考文献≫

月間保団連2017年10月号

糖尿病診療ガイドライン2016(日本糖尿病学会)

糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン改訂2版(日本歯周病学会)

QOL向上のために歯科医療にできること(2008年 GC)

全国保険医新聞 第2731号

Nauck M et al.,Diabetologia,1986

Zhu Y al.,Br J Nutr,2013

 

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