「歳と共に歯が弱くなった気がする・・」と思われることがあるかもしれません。歯が弱くなるのは本当に歳のせいでしょうか?長寿社会の現在、いつまでもおいしく食事が食べられようにしたいものです。この疑問に「お答え」いたします。
目次
歳と共に歯の本数は少なくなる
上の図は「歯の生涯図」といい、年齢と歯の本数の関係をグラフにしたものです。
※見方は以下の通りです。
縦軸:歯の本数(通常親知らずを除くと28本あります)
横軸:年齢
黒ライン:3、10、25・・・→ 単位は%。歯の本数が多い人を上からの人数の%を示します。
(例)1番上の3%ライン→100人中上から3番目に歯が残っている人のライン → 大変歯が良い方
(例)1番下の97%ライン→100人中上から97番目に歯が残っている人のライン → 歯がかなり少ない方
(例)星印は50歳で25本歯がある方を示します(点線内は100人中上から50番目に歯が残っている人の予測ライン)。
わかりやすくご説明すると、50歳の方でおおよそ25本歯が残っている方が平均(厳密には100人中上位から50番目)にあたるということを示します。
結論的には、「全体的にみると年と共に歯は少なく(悪く)なる傾向はあるが、そうでない方もいるので一概には言えない」が正しいことになります。
ちなみに50歳を超える頃より、歯が少なくなるスピードが増してきます。
なぜそうなるのか?
なぜそうなるのか原因をご説明いたします。
歯周病(歯槽膿漏)
歯を失う原因のNO.1は歯周病です。年齢と共に体の免疫力は低下してきます。歯を支えている歯ぐきの骨が痩せる歯周病に対する抵抗力も下がってきます。
虫歯
次に歯を失う原因は虫歯になります。年齢と共に、唾液の量も少なる傾向がありますので、お口の中を洗い流す力も小さくなり易くなり人生の後半で虫歯ができやすい時期が来ることがあります。
また、歯周病で歯ぐきが痩せて歯の根元がで易くなり、歯の根元が虫歯になり易くなることがあります。
破折(はせつ)
3番目に歯を失う原因は歯が割れることです。歯は何十年と使用されるため、歯がすり減る「咬耗(こうもう)」、などで歯が薄くなります。神経をお取りした歯も長年の使用で割れる「破折(はせつ)」がおきる頻度も大きくなります。
どうすれば良いのか?
結論的には、日常のお手入れ、しっかりと歯の治療をおこなうことが必要ですが、具体的に言うと
①まず病気にならないよう若い時からの虫歯と歯周病のケア
②歯周病の治療と継続管理
③虫歯の治療
④なるべく神経を残しながらの治療を選択
以上が歯を長持ちさせる秘訣になります。
※歯の神経は残して治療できればベストですが、お痛みがある場合は神経の治療をおこなうことが必要になります。
まとめ
・年齢と共に歯は少なくなる傾向は事実。ただし、悪くならない方もいるので一概には言えない。
・年齢と共に病気のリスク(危険因子)は増えるが、必ず「=病気」になる訳ではない。
・歯周病、虫歯、破折のリスクを減らすことが大切。