あなたがインプラントの治療をするかどうか迷ったとき、実際にインプラントをおこなった人の感想を「聞いてみたい」と思うかも知れません。
そこで、インプラントを実際に経験(20年以上)された方の感想の「答え」を解説したいと思います。
目次
509名20年後の感想
(公) 日本口腔インプラント学会誌の2018年6月号で掲載された「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査(九州インプラント研究会)」の論文の要点をまとめました。
回答された方の90%は60~80歳代の方なので、「50歳代にインプラントをおこなって、70歳代になっての感想」のイメージしていただければと思います。
※アンケート対象者1,168人のうち509名の回答。
93%の方が満足
インプラントを使用されて20年以上の感想なので大変参考になるでしょう。
治療して20年後の満足度に関しては「非常に満足」「大体満足」を合わせて93%(小数点四捨五入の値)という結果がでています。
固定式で、天然の歯に近い構造のため「食事」「見た目」「しゃべりやすさ」の改善がイメージ通りだったのではないかと考えられます。
満足の理由のトップは「何でも良く咬める」50%
満足の理由はトップは「なんでも良く咬める」で50%の方の感想です。2位は「入れ歯がいらず見た目がいい」で28%でした。
やはり、「食事」「見た目」は常に気になるものです。入れ歯がどうしても合わなくて悩んでいる方は一度検討される価値はあると思われます。
では、逆に不満な点はないのでしょうか?
不満の理由のトップは「費用」34%
不満な点も、もちろんあります。不満のトップは「費用」に関して34%になります。インプラントは通常保険が効かない治療(”自由診療”といいます)になり、保険の治療と比べ費用がかかります。
2番目の不満点は「歯ぐきが腫れるなどのトラブルがある」16%です。
インプラントは「インプラント周囲炎」といい、天然の歯と同じで「歯周病(歯槽膿漏)」になります。困ったことにインプラントは歯周病になってしまうと天然より進みが早いため歯ぐきが腫れやすい傾向があります。
事前の対策としては、インプラント治療をおこなう前に歯周病の治療を終了させておくことが必要になります。
まとめ
・インプラント治療をおこなって20年後、93%の方が満足と答えた。
・満足の理由は、「良く咬める」「見た目がいい」が多かった。
・不満足の理由は「費用」「歯ぐきの腫れ」が多かった。
・インプラントの治療前にきちんと歯周病の治療をおこなうことは鉄則。
≪参考文献≫
日本口腔インプラント学会誌 vol.31 no.2