インプラントの費用(値段、価格)のまとめ(2017年)

 

インプラントの費用、価格、値段まとめ2017年ンプラント治療を現在検討中の方、または予定されている方、インプラントの費用(価格、治療費)は保険外の治療になり、各クリニックにより違うため分りにくい点があります。

どなたも「良い治療を適正な価格で」治療を受けたいものです。インプラントの費用に関して、あなたが考える疑問、質問への「答え」を考えてみたいと思います。

まず、表示された費用に何が含まれているのか確認

よく「1本〇〇万円」という表示も巷で拝見することが多いですが、実はインプラントの

フィクスチャー(後で解説)部分のみの表示で被せ物(上部構造、後で解説)の費用は別

の場合がありますので、そもそもその表示が「1本あたりのトータルにかかる費用なのかどうか」

確認する必要があります。そうでないと治療開始したものの後で追加の費用が発生する可能性がでてきます。

インプラントの構造を知ろう!

インプラントの構造

インプラントの構造

インプラントは大きく2つの部分から成り立っており、

①目で見える部分である「上部構造(じょうぶこうぞう、被せもの、アバットメント)」

②歯ぐきの骨の内部にあって通常目では見えない「フィクスチャー(インプラント体)」

があります。両方の部分があって初めて咬めるようになります。
表示価格の内容が「①(フィクスチャーのみ)」なのか?「①+②(上部構造とフィクスチャー)」なのかを確認すると良いと思います。

    通常は「①+②」を「インプラント1本あたり」と表現します

それでは気になるインプラント1本あたりの価格を見ていきましょう。

インプラント1本の東京都内の平均の治療費

2016年ですと東京都であると地域により差がありますが32~37万円位が多いと思われます。

インプラントの治療費の内訳の例

インプラントの価格の内訳

画像は(「週刊デンタルダイアモンド 2013年6月15日号」様より引用させていただきました)インプラント1本の費用の内訳なります。

突出しているのが人件費(スタッフを含む)、材料費の2つになります。

大学病院などは、チェアータイム(治療時間、回数)、スタッフの配置などを十二分に確保するため(教育、研究機関のため)、最終的な収支がマイナス(赤字)になっているところは注目すべき点と思います。

何が価格を左右するのか?

何が違うのか?クリニックの設備や治療のシステム、ポリシー、人員配置、など多くの要素が絡んでくるので、一つとして同じ条件のクリニックはないと考えます。

以下、治療費用を左右する項目です。

・診査

レントゲン、口腔内写真、お口の型どり、をはじめCT撮影、コンピューターシュミレーション、など事前の検査も左右します。また、サージカルステント(インプラントをお入れする位置の精度を高めるマウスピース)の使用も左右します。

・治療ステップ

麻酔をして行う外科処置が1回のみの「1回法」、インプラントのキャップを取り付けるための外科処置をプラスして行う「2回法」があります。2回法は審美性を求める場合多用しますが「工程が多くなる=治療回数が増える」ため価格が増す傾向があります。また、天然の歯の状態を再現するために仮歯(テンポラリークラウン)を使用する場合も工程が増えます。

・治療時間

外科処置になるので、事前の準備と余裕のある治療時間(1本あたり90~120分)を確保も左右します。
もちろん、事前の説明の時間も十分とるためこれも含まれます。

・人件費

実際インプラントをおこなう場合は、①ドクター1名②外科アシスタント1名③器具の出し入れアシスタント1名、計3名以上が必要になります。もちろんスタッフの教育、研修費も左右します。

・治療後の保証の有無

もしあるのであれば「保証期間」と「保証内容」を確認しておくと良いと思います。保証期間内であれば完全無償で対応する場合、一部返金をもって保証とする場合、定期的な管理をする条件で保証する場合、などクリニックによって異なることが多いので事前に説明を受けることをおすすめいたします。

・設備、器材

手術室の設置(空調、照明)、歯科用CT、等のイニシャルコスト、予備の器材の確保、特別な器材(ピエゾサージェリー、等)、ディスポ器材(使い捨て)の多用、などの環境整備、準備、周辺器材、もコストに含まれます。

・アバットメントの種類

被せ物(冠)とフィクスチャーをつなぐ部分(土台)を「アバットメント」といいます。既成のサイズ(決まった形状)のものを使う場合と1人1人オーダーメイドでつくる「カスタムアバットメント」タイプがあり、後者は前歯など審美性が特に必要な場合に使用しますが一般的に費用が増す傾向があります。

・材料

被せもの(冠)の材質で変わることがあり、近年の貴金属(Au,Pd,等)の高騰で金属使用の場合の方が高い場合があります。

また、国内で流通している製品であれば(個人輸入とかで無く)日本の薬事法は世界一厳格なのでどのメーカーも一定の水準をクリアしていますので心配することはないと思います(私はこれまで3社のインプラントの使用経験がありますがどのメーカーの製品も良いと感じました)。

・その他

研修会費、書籍、スタッフ教育とトレーニングなど技術水準の維持のためのランニングコストも発生します。

税金が戻ってくる場合(医療費控除)もある

インプラントの治療費と医療費控除額の目安の表

赤字が戻ってくる金額(目安)

※支払った治療費:インプラントだけでなく、その他の歯科治療、医科の治療、薬代、の総合計。

※課税所得:年収から社会保険料や生命保険料などの控除額を差し引いた後の金額。

インプラントの治療費は医療費控除の対象となるため、支払った税金が戻ってくる(還付金)場合があります。1年間にかかった医療費の合計が10万円を超える場合は確定申告をおこない活用することができますので、治療時の領収書などはきちんと残しておくと良いでしょう。

※1年間にかかった医療費:1月1日~12月31日の期間で歯科、医科、薬代、など家族(同一生計)内の総合計をいう。

 

結局何が正解なのか?

インプラントの前に歯周病の治療が必要

画像は(「前出の週刊デンタルダイアモンド 2013年6月15日号」様より引用)指標となる大学病院でのインプラント1本をおこなうための治療の流れになります。

インプラント埋入手術のステップで4回以上、被せものの制作で5回以上の通院が必要なります。

もちろん行う前の、検査(レントゲン、CT撮影、治療計画の説明、等)が重要であり、歯周病の治療などが必要と判断されればトータルで1年以上かかる場合も想定できます。

特にインプラントは天然の歯をより歯周病が進みやすい(インプラント周囲炎)ので事前にしっかりと歯周病の治療を終わらせおくことが長持ちさせる秘訣になります。

 

これが治療の流れの参考になるかと思います。

また、インプラントの1本あたりの費用に関しては、同じく「週刊デンタルダイアモンド 2013年6月15日号 P61」様の記事が臨床実感として共感できる内容なので引用掲載させていただきます。

(以下引用)

 1本当たりの費用は安いほうがありがたいだろうが、十分な品質を確保するためには40万円程度かかってもおかしくはない。低価格の場合、何らかのコストカットしている可能性もあるので、安い理由を尋ね、納得した上で選ぼう。

(引用終わり)

最終的には、治療で何を最優先させるのか?、実際可能な治療期間と予算、など個々の条件は違ってくるため、ご希望と最終ゴールに照らし合わせながら検討すると良いと思います。

インプラントの価格のまとめ

・2016年の東京都でインプラント1本32~37万円が多いと思われる。

・表示内容に何が含まれているのか(上部構造、保証内容、等)確認すると良い。

・費用(価格)は大切。ただし、それだけを選定基準にするかどうかは良く考える必要がある。

・数字では見えない内容(診査、治療ステップ、等)も加味しながら検討されると良い。

・医学的に正しいステップを踏むと治療回数、時間がかかることが多い(コスト増)。

 

【参考文献】

・平成28年度歯科医業経営総合調査 公益法人 東京都歯科医師会

・週刊ダイヤモンド 2013年6月15日号

 

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