歯周病の原因である歯周病菌の正体とは?

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周病は、歯周病菌によって引き起こされる病気です。健康な方でもお口の中には700種類の細菌(ばい菌、バクテリア)がすんでいますが、その多くは無害なものばかりです。

ただそのうち10種類は歯周病に関連する細菌たちで、そのうちの3種類は特に歯周病を増悪させる(歯周病菌)ことががわかっています。

歯周病菌の正体を知って歯周病対策の「答え」を知りましょう。

【1】歯周病の原因論の昔と今の違い

なぜ、歯周病になるのか?歯周病は何が原因でおこるのか?昔からいろいろ研究がされて現在ではかなり明確になってきています。その変遷をご説明しましょう。

歯周病の原因論の変遷年表

(歴史)歯周病はどうしておこるのか?

1930年位に、歯周病の主な原因は「歯石」であると考えられてました(歯石を取ると良くなったため)。

それから30年後の1960年代には「歯石ではなくプラーク(歯垢、細菌の塊、バイオフィルム)」であることが明らかになり、

1970年代には歯周病に関係がある10種類の細菌が報告され、1998年に特に歯周病に関連する3種類の細菌が特定されました。

直近の2010年には、歯周病の発症は「細菌と体の抵抗力のバランスの崩れ」でおきると考えられています。

どちらにしろ「細菌の存在」が「歯周病の原因」になります。

【2】すべての人間の口の中には細菌がいる

生きている人間すべての口の中には細菌が生息しています(胃や腸にも、皮膚の表面にもいます)。

口の中には種類でいうと400~700種いますが、ほとんど「悪さ」をしない(歯周病とは直接関係しない)ものがほとんどです。

細菌も生き物ですので種類により習性が異なり、酸素を好むものと好まないもの、糖分をエネルギー源とするものや血液をエネルギー源にするものなど様々です。

歯周病菌と呼ばれる細菌はそのうちの10種類をいいます。

【3】歯周病菌とは

歯周病菌は歯周病の原因となる細菌の総称で、P.g.菌(Porphyromonas gingivalis)や Td.菌(Treponema denticola)、T.f.菌(Tannerella forsythensis)をはじめとする10種類以上もの歯周病菌が発見されています。

歯周病菌(pg菌td菌bf菌)

歯周病に最も関連する細菌3種類

特に上記の3つの歯周病菌は、進行した歯周病の方のうち半数以上から見つかり特に「悪玉菌」の最たるものといわれています。

・P.g菌(Porphyromonas gingivalis、ポルフィロモナス・ジンジバリス)

なんと、日本人の65%以上が感染している細菌です。だいたい18歳以降に感染し、親しい人、食べ物の直下箸、ペット、から唾液を介して入り込んできます(生まれたての赤ちゃんには存在しません)。

骨を溶かして歯を「グラつかせたり」、歯周病独特の「悪臭」の元となる内毒素を出します。成人の歯周病菌の代表格ナンバー1です。タンパク分解酵素により、白血球の働きに抵抗する性質を持ちます。

・T.d菌(Treponema denticola、トレポネーマ・デンティコラ)

「吸血鬼細菌」いわれ、血液をエネルギー源にしている細菌です。歯ブラシ時に出血がある場合はこの細菌が増えている可能性があります。細胞と細胞の間を自由に出入りする運動能力があるため、血管の中にも入り込み増殖する怖い細菌です。心臓冠状動脈疾患部や動脈瘤から検出されることがあります。

・T.f菌(Tannerella forsythensis、タネレラ・フォーサイセンシス)

P.g.菌と同じく、成人の歯周病の主な原因となる歯周病菌です。紡錘型をしており内毒素を出します。

他にも、

あごの骨が急速に破壊されることがある「侵襲性歯周炎」に関係するA.a菌(A.actinomycetemcomitans、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス)や

女性ホルモンの変化で歯周病を引き起こしやすくなることで発症する「妊娠性歯周炎」に関係するP.i菌(Prevotella.intermedia、プレボテラ・インターメディア)など、

特定の歯周病に関連する歯周病菌も存在します。

 

【4】歯周病菌の特徴

歯周病菌は少数派なのになぜ歯周病を起こすのでしょうか?秘密は細菌の性質にあります。

【歯周病菌の特徴】
①毒素を出す
②血液を好む(エネルギー源)
③空気(酸素)が苦手

デンタルアンサー(レッドコンプレックス)310

歯周病菌は急に増える訳ではない

歯周病菌は空気(酸素)が苦手で、空気に触れると死んでしまいます。空気に触れないような環境で生き延びようとします。

具体的にいうと自分以外の(空気に触れても平気な)細菌の塊の中で空気に触れない環境の中で増えていきます。

 

また、増えるステップは以下の通りです。

①歯の表面にタンパク質の膜(無害)ができる

②最初は普通にいる細菌が増える

③細菌の「塊(かたまり)」ができる

④内部は空気に触れない

最後に歯周病菌が増える

⑥歯周病がおきる

以上のようになりますが、一言でいってしまうと「歯周病菌単体では長くは生きられない」ということです。

デンタルプラーク(歯垢)の成熟過程

最後に歯周病菌が増える

 

【5】ではどうすればよいのか?

残念ながら現在の科学では完全に歯周病菌を排除することができません。ではどうすればよいのか?

答えはシンプルです。

「細菌を塊(プラーク、歯垢、バイオフィル)にしないこと」正確にいうと、プラークコントロールといいます(「歯磨き」とはちょっと概念が違います)。細菌を成熟させないで早期に破壊(取り除く)することです。そして続けることが唯一の方法です。

 

【6】まとめ

・歯周病は歯周病菌が関与する。

・歯周病菌は毒素をだすため、歯ぐきの骨が溶ける(痩せる)。

・歯周病菌が生き続けるには普通にいる細菌の存在が必要。

・歯周病菌はうつる可能性がある。

・プラーク(歯垢)を取り除き続ける習慣(プラークコントロール)が生命線。

 

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