歯が痛くなくても歯医者に行くべき本当の理由

歯が痛くないのに歯医者に行くべき理由く歯科に通い治療がやっと終了、ほっとした後に「今後定期的に来てください」と言われたご経験があるかと思います。

それは「なぜ」か考えたことはありますか? その「答え」をご説明いたします。

歯を失わないため

以下のようなデータがあります。

30年間の喪失歯数の比較の図

答えは極めてシンプルです。「あなたの歯を失わない(抜かない)」ためです。

データは30年間で失った歯の本数で「継続的に歯科に行く方」と「日本人の平均」の30年間で失った歯の本数の比較になります。

継続管理している方(定期的に通院)されている方は30年間で歯が無くなることは2本以下で、比較となる日本人(40~70歳)は約10本となりおおよそ5~10倍多く歯が無くなっています。

この大きな差は、定期的な管理(1~6ヶ月)をおこなっているかどうかにあります。歯の病気のである虫歯も歯周病も自覚症状がなくても進んでいることがあり、進行(再発)してはじめて気づきます。

もちろん、痛みやグラつきなどが出てからでも治療は可能ですが、大がかりな治療(神経を取る、抜歯する)になり、歯にはダメージが残ります。

結局、「残りの歯の質が薄くなり、結局割れてしまって抜歯」「歯を支えている骨の量が少なくなり抜歯」がおこりやすくなります。

そのため、歯を残そうと考えるクリニックは「定期的な管理」に一番力を注ぎます。

 

※① 19~30年間にわたりSPT(エス・ピー・ティー、メインテナンス、歯周病の継続管理)を受けた方の平均喪失歯数

Axelsson P,Nystrom B,Lindhe J. The long-term effect of a plaque control program on tooth mortality,caries and periodontal disease in adults.Results after 30 years of maintenance. J.Clin.Periodontal.31(9):749-757,2004.

※② 日本人の40~70歳までの30年間で平均喪失歯数 平成23年歯科疾患実態調査、厚生労働省

治療システムの違い

治療中心のクリニックと継続管理(※③)中心のクリニックではもちろんシステムが違ってきます。

歯を残そう(長持ちさせよう)とするクリニックは、通常の治療ももちろん行いますが、プラスして歯科衛生士と継続管理用の専用のユニット(治療用チェア)を確保しシステム化しています。

「治療が必要になることは、そもそも予防が失敗したため」と考えることが正しい認識と言えるでしょう。

もちろん、歯をきれいに保つことにも最終的にはつながります。

※③ 国内では「歯周病安定期治療(SPT)」という。「(いわゆる)定期検診」は保険診療では認められていないため厳密には自費治療(保険外)となる。

 

まとめ

 ・定期的にクリニックに通う理由は、あなたの歯を長持ちさせるため(残すため)。

 ・「治療が必要になる=予防が失敗したため」が正しい認識、「悪くなったら治療」ではない。

 ・歯医者に行くことでもちろん歯をきれいに保つこともできる。

 

《参考資料》

Selfcare Guide (ライオン様) 

 

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