「最近食事がおいしくない、味がおかしい」と感じたらそれは味覚障害の可能性があります。
食事がおいしくないと毎日の生活も味気ないものです、味覚障害の原因と対策についての「答え」を解説いたします。
目次
味覚障害の原因
①薬剤性
常用している飲み薬やうがい薬(デンタルリンス、など)の影響で味覚が変わることがあります。使い始めてしばらくしてから変化がでてくるが多いので、現在使用しているお薬の副作用などを担当の先生(医科、歯科)に相談してみると良いでしょう。
もちろん喫煙は味覚を鈍らせます。
②栄養障害(亜鉛欠乏など)
良く言われているものとしては「亜鉛(あえん)」の摂取不足があげられます。また、偏食などないかどうかもう一度振り返ってみましょう。亜鉛剤などサプリメントを取ることも良いと思われます。
③全身性
かぜをひいて鼻が詰まって食べ物の匂いがしなかったり、放射線治療などの全身の治療によりだ液が出づらくなることがあります。そうすると味覚が感じづらくなります。
④心因性
ストレス、緊張、などが続くとだ液が出にくくなるため、お口の中が乾燥しやすくなるため、味覚が感じにくくなることがあります。
⑤口腔疾患
歯周病(歯槽膿漏)による出血や滲出液の影響(しょっぱい、等)、ドライマウスなどお口の渇きが影響することがあります。
※Journal of Health Science ,55:689-698,2009.より筆者改変
だ液は通常1日1~1,5リットルほどでますが、上記の影響などで唾液が出にくくなると味覚が変わる場合があることが分かっています。
治療方法
①原因を無くす
飲み薬、デンタルリンス、の影響が考えられる場合は使用をやめるか、他の種類に替えられないか検討する必要があります。
もちろん、全身やお口の中の病気があればしっかり治療する必要があります。
また、禁煙にトライすることも検討しましょう。
②亜鉛を摂る
亜鉛不足が疑われる場合はサプリメントで補充することも方法の一つです。
③だ液が出るようにする
だ液が出やすくなるように良く咬んで(歯にダメージを与えない程度に)食事をすることをこころがけ、食前にカフェイン(コーヒー、緑茶)を含む飲み物はだ液が出にくくなる作用があるので食後に飲みましょう。
まとめ
・まず、味覚障害の原因を無くすことが大切である。
・だ液の量が少なく乾燥傾向になると味覚障害の原因となる。
・だ液が出やすくすることが治療法の一つになる。
≪参考文献≫
全国保険医新聞 2768号(2018年10月25日発行)